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debsy ni-3

「目が怖い目が怖い。」

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「目が怖い目が怖い。」

「目が怖い目が怖い。」

 

 

元からある眼力が更に凄みを増し,若干血走ってるのがより怖い。

 

 

「夫婦なんですから遠慮するのはやめましょう。ね?あなた。」

 

 

桂は三津を抱きしめて啜り泣いた。情けない声で何度も三津の名を呼んだ。三津はまた泣いてと呆れながら背中を擦って宥めた。

 

 

「あなたとも離れる事にはなりますが九一さんから離れてる方が安心やないですか?」

 

 

「そりゃそうだが……。もし私に何かあった時に三津を託せるのは九一しかいない……。九一の事は信頼してる……。だから矛盾してるとは思うが九一からも離れて欲しくない……。」

 

 

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京に居た時もそうだ。何が起こるか分からないから,念の為とあちこちに手を回してくれていた。今も先を見据えて考えてくれている。そう思うとこそばゆい。

 

 

「今日はもう何も考えないでゆっくりしましょ?」

 

 

「そうする。三津はいつも通り仕事をしててくれ。」

 

 

桂は延べた布団に横になり,三津は部屋を出た。

廊下を歩いてると入江と高杉,山縣と伊藤が縁側に集まっているのが見えた。

 

 

「おっ!松子!ちょっと来いっ!」

 

 

高杉がいい所に来たなと手招いた。

 

 

「何で松子……。」

 

 

いや松子だけどもと不満げな顔をしつつ四人の輪に混じった。「木戸さんは?」

 

 

高杉は面白い事になったなぁ!と無邪気に目を輝かせていた。多分彼の中で色んな妄想が展開されてるに違いない。

 

 

「お疲れで横になってます。なんで部屋の近くでは静かにして下さいね。」

 

 

高杉と山縣は群を抜いて騒がしいからと釘を刺した。

 

 

「何話したん?」

 

 

入江はこれでいいのかとまだ戸惑っていた。三津も同じで困惑した顔でぎこちなく笑った。

 

 

「小五郎さんにとって,とにかく私が姿を消すのが耐えられないそうです。それと九一さんの傍を離れるのも駄目だと。自分にもしもの事があった時,託せるのは九一さんだけだそうで。」

 

 

「それも難儀やなぁ。嫁ちゃんは一人がええのになぁ。でも入江とも出来るし解決は解決か?」

 

 

山縣は面白い事にはなったが三津に新しい生活を与えてやる方がいいと主張した。三津はここまで親身になってもらえるとは思わず,ぽかんと山縣を見つめた。初めて会った時とは別人のようだ。

 

 

「木戸さんそんなん言うたん?そこまで信頼されとると……。気が引けるな。」

 

 

入江と三津は顔を見合わせてどうしようかと互いに困惑した。

 

 

「木戸さんの作戦か?まぁそこも後はお前ら次第か。二人でも話して来いや。ついでに外でよろしくやって来い。」

 

 

高杉は二人に行った行ったと手で払う仕草をした。

 

 

「そうやな。ちょっと話そうか。」

 

 

入江は行こうと三津を連れて屯所を出たが,行く所は海しかないなぁと海岸に出た。三津は本日二回目の海岸。

 

 

「九一さんは……どう思います?この提案。」

 

 

「嬉しいっちゃ嬉しいけど,多分木戸さんは嫉妬で三津に当たると思う。でも一蓮托生やと私を遠ざけようとせん。困った。

嬉しいけど……罪悪感が前よりも……ね?」

 

 

三津は激しく頷いた。前よりも罪悪感が居座ってくる。駄目と言われたら逆らいたくなるのに,どうぞと言われるとどうしたらいいか困る。それに自分の事を想ってだと分かったから余計にだ。

 

 

「まぁ……好きにしろと言われたから好きにしようか。」

 

 

入江は私達のカタチをまた模索しようとにっこり笑った。三津は何か考えてる笑顔だなぁと思いながらそうですねと頷いた。

 

 

 

 

その日の夕餉は,桂が今日は夫婦水入らずで食べたいと言ったから自室で二人で食べた。

 

 

「懐かしい。」

 

 

桂はそう言って嬉しそうに笑っていた。相変わらずお味噌汁を美味しそうに飲んでくれる。三津はそれが嬉しかった。

 

 

「すまないね。こんな夫婦ごっこに付き合わせて。」

 

 

桂は広間で賑やかにみんなといた方が楽しいだろうと,目を伏せて申し訳なさそうにしていた。

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